ゲームチェンジャー 2019 3 17

書名 ソニー&松下 失われたDNA
著者 安西 巧  日経プレミアシリーズ

「この30年は、まるでジェットコースターのような30年だった」
 著者によると、1989年にアメリカの「ビジネスウィーク」誌がまとめた、
世界の大企業1000社の株式時価総額ランキングを見ると、
上位50社の中で、実に32社が日本企業だったが、
2018年6月末に上位50社にランクインしたのは、トヨタ自動車だけである。
(引用、以上)
 どうして、こうなってしまったのか。
実は、産業構造の大転換についていけなかったからでしょう。
 現在、世界の株式時価総額ランキングを調べてみると、
上位5社は、時々、順番が変動しますが、
マイクロソフト、アップル、アマゾン、
アルファベット(グーグル)、バークシャー・ハサウェイの5社で占められているでしょう。
 この中に、製造業もなく銀行もありません。
アップルは、自社工場を持たず、中国で製造委託を行っています。
 要するに、この30年で、
アメリカにおいても、産業構造の大転換があったのです。
 かつて、大企業と言えば、製造業や銀行だったのです。
製造業や銀行が大企業の象徴であると言われた時代がありました。
 今は、製造業と商社の区分があいまいになっています。
自社工場を持たず、商品企画と設計に専念して、
製造は、他社の工場(外国)に製造委託をするという方式です。
これは、日本の商社が、昔、似たようなことをやっていたと思います。
 銀行においては、「Fintech」という金融技術によって、
IT企業も、金融業に参入が可能となったでしょう。
 たとえば、アマゾンが暗号通貨を発行すれば、
国家を超える巨大な経済圏ができるでしょう。
 アマゾンというと、インターネット空間の小売業を連想しますが、
今は、「AWS」というクラウドサービスのほうが利益が大きいでしょう。
 そういえば、アマゾンは宇宙開発を始めたので、
小売業→クラウドサービス→製造業に変化していくのかもしれません。
 なぜ、日本企業は、世界のベストテンから転落したのか。
本来はライバルであるはずの中国企業の経営者が指摘するのは、
「日本企業は伝統が強すぎるために、伝統を守ろうとするあまり、
世界の変化についていけないのではないか」という。
 もちろん、日本においても、
時々、「ゲームチェンジャー」は出現していましたが、
「出る杭は打たれる」という結果になっています。
アメリカや中国は、「出る杭」という偉才を育てていったのです。

爆速イノベーション 2018 10 28

書名 二〇二五年、日中企業格差
著者 近藤 大介  PHP新書

 早速、引用から始めましょう。
以下、引用です。
「鴻海に買われたシャープは、なぜV字回復を果たしたのか」
 シャープを完全復活させた台湾人の戴正呉社長は、
「会議で決まったのは、次の会議日程だけ」と揶揄された、
スローな社風を改善し、即断即決体制を整えたのだ。
 無責任体質とスピードの遅さは、
著者が北京で日中ビジネスに携わっていた時代に痛感していた、
日本企業の「二大弱点」と言えた。
 日中間の商談の場で、
日本側は、よく「○○のことは、わが社で了承されました」と発言する。
 すると、すぐに中国側から、
「それは、社長が決めたということですね?」と突っ込みが入る。
(日本側)「いえ、経営会議で了承されたのです」
(中国側)「社長が決めたのでしょう?」
(日本側)「ですから、会議で了承されたのです」
この堂々巡りである。
 両方の通訳をする著者は、感情を入れず、
逐語訳を心掛けているが、内心は中国側に同情したい気持ちだった。
(引用、以上)








































































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